種子取祭
- 八重山
- 石垣島
祓い清めた土地に種子を蒔き始める祭り。

竹富島の種子取祭は、約600年の伝統があると言われており、国の「重要無形民俗文化財」の指定を受けています。「種子取」は「タネドリ」や「タナドゥイ」と発音されます。その名の通り農耕に関する行事であり、種を蒔き、それが無事に育つことを祈願するお祭りです。
毎年、旧暦9月の庚寅、辛卯の2日間を中心に40余りの伝統芸能が神々に奉納されます。
竹富島には「かしくさや うつぐみどまさる」(一致協力することが何よりも大切である)という言葉があり、島人の考え方の基本となっています。
種子取祭には島を離れた人々も里帰りして祭りに参加し、大勢の人で島は祭り一色になります。
祓い清めた土地に種子を蒔き始める祭り。
毎年旧暦9月~10月の甲申の日から癸巳までの10日間行われ、期間中7日目と8日目が奉納芸能が行われる祭りのハイライトとなります。
竹富島最大の行事で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
開催場所 | 世持御嶽 |
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祭りの七日目と八日目の二日間は、世持御嶽【ゆうむちうたき】の前で演じる奉納芸能も様々な種類があります。
華やかで美しい舞踊は主に女性が担当し、勇壮で時にひょうきんな狂言は男性が担当します。これらの踊りや狂言には、竹富島で生まれたもの、八重山の他の島々から取り入れられたもの、さらには沖縄本島や日本本土から伝わったものなど、多種多様なものが含まれています。
鳥居の前で踊られるものには、「棒」「太鼓」「ジッチュ」「馬フシャー」「マミドー」「腕棒」などがあります。火の神の前の仮設舞台で演じられるものに、「長者」「みるく」といった面をつけて祝言をのべたりするもの、「鍛治屋」「種蒔」といった狂言、「さんぐるろう」などの踊りなどがあります。
【 棒 術 】棒術はお祓いの意味を持ち、お清めの役割。
【 マミドー 】農耕の神などをまつった「世持御嶽」で芸能の奉納が行われ、島の女性たちがカマやクワを使って農作業の様子を表現。
【 ジッチュ 】ジッチュとは十人という意味であり、踊りは片袖を抜いて踊ります。琉球国王に拝謁した喜びを表現。
それぞれの芸能には意味があり、豊作祈願、農具作成、種まきなどのストーリーがあります。
さらに「奉納芸能」以外にも、物音を立てずに静かに過ごすという、「ンガソージ(ンガは大きい、ソージは精進の義で、大精進の日)」と称して身を慎む日、夜通し行われる「世乞い(ユークイ/、綱引・舟競争などによって豊作を招く行事)」は島の家々を巡り豊作を祈る行事などがあります。
祭りが行われる約10日間は、島を離れた人も里帰りをし、協力して準備や練習を行う島の一体感から、島民の考え方の基本となっている「かしくさや うつぐみどまさる」(一致協力することが何よりも大切である)という言葉を体感することができます。