石垣島の黒蝶真珠
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世界で初めて養殖技術の確立と量産化に成功した、川平湾の黒蝶真珠。
クロチョウガイ(黒蝶貝、学名Pinctada margaritifera)は、黒蝶真珠の母貝で、熱帯・亜熱帯の海域に広く分布し、日本では特に沖縄の八重山や宮古周辺で多く生息しています。クロチョウガイは浅瀬のサンゴ礁や岩礁に生息し、八重山では「ピーヌクー」と呼ばれ、かつて貝ボタンの原料として採取されていました。
黒蝶真珠の養殖が世界で初めて成功したのは、川平湾の特別な地形的条件が影響しています。川平湾は於茂登連山に囲まれており、台風からの影響を受けにくいことが大きな利点です。また、湾は外洋とつながり潮通しが良いため、外洋性のクロチョウガイが湾内でも生息でき、さらに於茂登山系の川から流れ込む栄養塩がクロチョウガイの生育を助けます。このような自然環境により、川平湾は「真珠のふるさと」として理想的な真珠養殖場となっています。
黒蝶真珠は形や色のバリエーションが豊富さが特徴です。母貝が活動的な貝なので、生まれる真珠の形もラウンド(真円)、セミラウンド、ドロップ、バロックなどバラエティに富みます。さらに色に関しても母貝が持つ3色の色素により、ブラック系、レッド系、グリーン系など多彩な色合いが生まれます。天然の黒蝶真珠は非常に希少で、40万個の貝に1個しか見つからないため、「幻の真珠」とも呼ばれています。タヒチに比べ、八重山の海は海水温が低く、成長が遅い分、きめ細かい真珠が育つのが特徴です。
真珠選びのポイント
人生の節目ごとに迎える大事な場面で、あるいは日常のちょっとしたお洒落な装いに、幅広く真珠ジュエリーをお使いいただくために個性豊かな真珠たちの中から自分だけのお気に入りを探すために、真珠選びのポイントをご紹介します。
テリ(光沢): 真珠の光沢は最も重要な要素です。テリが良いものは輝きが強く、自分の顔がはっきり映るほどの光沢を持ちます。
巻き: 真珠層の厚さを指し、巻きが厚いほどテリが良く、耐久性も高くなります。均等で厚い巻きが理想的です。
形: 真円が理想的とされますが、ドロップ型やバロック型も個性的な美しさがあります。用途や好みによって選びましょう。
色: 真珠の色には、干渉色(かんしょうしょく)、実体色(ボディーカラー)、下地色の3種類があります。
干渉色は、真珠層の中に入った光が屈折、反射、透過などにより混ざりあって表面に現れる色のことです。身近な例では、シャボン玉の表面に現れる虹色の発色が同じ原理によるものです。
実体色は、真珠層に含まれるタンパク質の色素で、実際に真珠が持つ色のことです。
下地色は、核と真珠層の間にある有機質層が透けて見える色のことで、ブルー系のアコヤ真珠などはこの色によるものです。
黒蝶真珠では、クロチョウガイの持つ赤褐色、青褐色、黄褐色の3色の色素がさまざまな濃度で混ざり合うことで、ブラック系、グリーン系、レッド系、イエロー系、ホワイト系、グレー系など、多彩な実体色を生み出します。黒蝶真珠というと黒のイメージを抱きがちですが、他の真珠とは違い、色のバリエーションが特徴です
キズ(エクボ): 天然の真珠には表面に小さなキズや凹みがあることがあります。これが少なく目立たないものが価値が高いとされています。
大きさ: 大きい真珠は希少で高価です。用途に応じて、サイズも選びのポイントです。
真珠は貝から生まれる有機質の宝石です。日常のお手入れを怠らず、デリケートにお取り扱いいただければ、大切な真珠製品を末永くご愛用いただけます。
資料提供:琉球真珠株式会社