沖縄黒糖
- 宮古島
沖縄黒糖とは
沖縄黒糖とは、沖縄の離島8島で作る、さとうきびだけを原材料とした黒糖。
沖縄で黒糖が作られるようになったのは、今から約400年前の江戸時代のこと。製造方法を中国に学び、さとうきびの栽培も沖縄全土で盛んになりました。以来、さとうきびは沖縄を代表する農産物になり、県の耕地面積の半分にさとうきびが植えられています。
沖縄の方言で「ウージ」と呼ばれている「さとうきび」。茎は竹のように木化し、節があるが内部は竹とは異なり空洞ではなく、糖分を含んだ髄となっています。茎は高さ3mほどにもなり、秋には茎の先端からススキのような穂を出します。青い空の下、一面に広がるさとうきび畑は沖縄を感じられる風情あるものです。
現在はその大半が上白糖などの原料(粗糖)を製造していて、黒糖になるのはわずか5〜6%ほど。かつては数百あった黒糖工場も一九七〇年代以降めっきり減りました。現在、黒糖を製造して県外に出荷しているのは、伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島の八島のみ。島の土壌や天候、さとうきびの栽培方法などの違いが、黒糖にストレートに反映されています。
八つの島の八つの黒糖
伊平屋島
沖縄本島の北西方53kmにある伊平屋島。山があり豊かな水に恵まれ、さとうきび畑が広がるのどかな村で作られる黒糖は、硬く大きな粒でゴツっとした外見が特徴。
伊江島
沖縄本島の本部半島から北西へ約9km、フェリーで30分ほどに位置する離島。平成23年から黒糖製造が始まった新顔。比較的白っぽく、コロッと小ぶりで愛嬌のある形。
粟国島
かつては粟の産地だったことが島の名前の由来になっているが、現在は黒糖と塩で有名。えぐみや苦味が少なく、塩気とあっさりした甘みのバランスが絶妙。
多良間島
宮古島と石垣島のほぼ中央に位置し、中央にさとうきび畑が広がる小さな純農村の島。黒糖はこげ茶色をした長方形で、硬めのしっかりした粒。一目で他島と判別ができる。
西表島
沖縄本島に次ぐ大きな島で”東洋のガラパゴス”ともいわれる西表島。イリオモテヤマネコなどの希少動物が生息している。黒糖は八島のなかでも色白。
与那国島
石垣島の西方130km、台湾が見える国境の町で知られる与那国島は日本最西端の島。低地に水田、台地ではさとうきびが栽培されている。黒糖は明るい黄土色をしたキャラメル型。
小浜島
石垣島と西表島の間に広がる日本国内最大のサンゴ礁、石西礁湖内に位置する小浜島。ここの黒糖は、まるでチョコレートのような愛らしい外見が特徴。
波照間島
石垣島の南西方56kmに位置する波照間島は日本最南端の島。南十字星がよく見える島としても有名。唯一の特産品の黒糖は、ゴロっと大粒でシャリシャリした食感が魅力。
沖縄黒糖の栄養
ビタミンとミネラルが豊富な黒糖で健やかな毎日を。
上白糖やはちみつなどに比べ、黒糖はビタミンやミネラル(無機質)を豊富に含んでいます。主成分はこれら甘味料と同じように炭水化物(糖質)でエネルギー源となりますが、毎日の生活のなかに黒糖を取り入れると、健康に不可欠なビタミンやミネラルも少しずつですが、同時に摂取することができます。
・丈夫な骨を作るカルシウム
黒糖にはそのカルシウムが、上白糖の240倍もあります。カルシウムといえば、骨や歯をつくる大切な栄養素。牛乳と黒糖の組み合わせは、カルシウムの吸収率が高まり好相性です。
・脳にすぐ届くエネルギー
黒糖などの糖分(しょ糖)は、消化酵素によって、素早くブドウ糖と果糖に分解されます。しかも、黒糖にはブドウ糖をエネルギーに変えるのに必要不可欠なビタミンB1とナイアシンも一緒に含まれています。
黒糖は豊かな栄養価とその独特な風味を活かしてそのまま食べたり、料理や飲み物に利用したりと様々なアレンジができる為、お土産としても人気があります。それぞれ八つの島の八つの黒糖の特徴を知り、お気に入りの黒糖を探してみてはいかがでしょうか。
資料提供:沖縄県黒砂糖協同組合沖縄県黒砂糖工業会