紅芋
- 沖縄本島
鮮やかな色合いと独特の風味は、沖縄文化を象徴する食材の一つ
紅芋の歴史
約400年前、野国総管が中国からイモ(甘藷)を持ち帰り、琉球国全体に広めたことで、多くの人々が飢饉から救われたと伝えられています。その後、儀間真常(ぎましんじょう)によって沖縄全島に普及し、さらに薩摩を経て日本全国に広がりました。
紅イモはサツマイモに似ていますがヤマイモや長芋の仲間でヤマノイモ科です。沖縄県を中心に栽培され、特徴的な赤紫色は加熱しても変わりません。沖縄方言では「ウム」や「アコン」とも呼ばれ、さまざまな加工品の原料として利用されています。ただし、病害虫の蔓延を防ぐ目的で、生の紅イモを沖縄県外に持ち出すことは法律で禁止されています。
栄養素
紅イモはビタミンAやC、カリウム、食物繊維を豊富に含み、特にアントシアニン(ポリフェノールの一種)を多く含む点が特徴です。この成分には強い抗酸化作用があり、眼精疲労や眼病の予防、生活習慣病の改善、動脈硬化やコレステロール抑制などに効果があるとされています。
選び方&食べ方
新鮮な紅イモを選ぶ際は、皮がしっかりしていて傷やへこみが少ないものを選び、保存は冷蔵庫ではなく、新聞紙で包み暗所に保管するのが適しています。
紅イモは、蒸してそのまま食べるほか、甘味が弱いため、色を生かしたお菓子や料理にも幅広く活用されています。上品な甘さとねっとりとした食感が特徴で、紅イモタルトやスイートポテト、アイスクリームなどの加工品としても人気です。