宮良殿内【石垣島】
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市街地に建つ琉球王国時代のお屋敷「宮良殿内」
石垣島の市街地には、かつて琉球王国時代に建造された邸宅「宮良殿内(みやらどぅんち)」があります。宮良殿内は、頭職(かしらしょく)と呼ばれる行政官であった宮良親雲上当演(みやらぺーちんとうえん)が建てた屋敷です。名前にある「殿内」とは、代々頭職を務めた親方家の尊称であり、元々は親方家の邸宅のことを指していたとされます。
宮良殿内は、実は過去5回ほど取り壊しを命じられていました。当時の住宅は階級によって厳重に取り扱われており、中でも宮良殿内は貴族のお屋敷を建造されていたことから、頭職には不相応だと王府から言われていました。しかし、宮良親雲上当演は取り壊しの命に従うことはせず、のちに取り壊しではなく屋根を茅葺にするよう命じられたことで、赤瓦の屋根からススキやチガヤなどの草本を材料にした屋根へと変えました。
一度茅葺の屋根へと改造した宮良殿内ですが、のちの廃藩置県後に再び赤瓦屋根へと戻したことで、現在の姿になりました。石垣島でも一際目を惹く立派なこの屋敷は、現在国の重要文化財に指定されています。石垣で囲われた殿内にある枯山水の庭園もまた、国の名勝として指定されており、石垣島独特の雰囲気を漂わせた屋敷を見に訪れる人もいます。