渡名喜島
- 沖縄本島
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古き良き沖縄の面影が色濃く残るウミガメの島
渡名喜島は、那覇から北西の海上約58㎞に位置し、沖縄本島と東シナ海の周辺離島(粟国島、慶良間列島、久米島)の中ほどに位置する島です。渡名喜島がある渡名喜村(となきそん)は、渡名喜島と無人島の入砂島の2島からなる村で、沖縄県最小、かつ、日本で二番目に小さい自治体です。昔からのどかで治安が良く、戸締りが要らないため「戸無き島」とも呼ばれていました。また、渡名喜島は、観光客にあまり知られておらず、観光立件の沖縄県でも観光客がとても少ない島の一つと言われています。大正時代中ごろの伝統的な家屋やふくぎ並木町並みという沖縄の原風景が今も多く残っており、平成12年には、文化財として重要伝統的建造物群保存地区に選定され、ゆったりとした静かな時間を過ごすことができます。その、昔ながらの美しい街並みは、災害を避ける工夫が凝らされています。
赤瓦の屋根の民家は風対策のために道よりも掘り下げた敷地に建てられ、集落全体に植えられているフクギも風対策として役立っています。また、集落を巡る細い道は白い砂を敷き詰められ、水はけがよく浸水から守られています。
渡名喜島は5000年前までは、西森がある北部と大岳(ウータキ)がある南部は別々の島でした。その後、徐々にサンゴ礁が発達し、4000年前には海面低下が起きて、島の間は海からの波が遮られ、3500年前頃に砂州ができ、1つの島になりました。そのため、北部と南部で地形が大きく異なり、他では見られない地層や風景を見ることができます。
渡名喜島はイノー(礁池 しょうち:サンゴ礁に囲まれた浅いおだやかな海)を含む島全体が1997年に県立自然公園に指定され、特長的な地形や地質、動植物等が保たれています。中でも、島周辺の海に70頭ものウミガメが暮らしている事から「ウミガメの島」として知られています。ウミガメの浜として有名なのは、「呼子浜(ゆぶくはま)」で、ウミガメの産卵地として、産卵の時期である4~7月はウミガメが産卵のためにビーチにやってくるのを見ることができます。アンジェーラ浜には、アーサの養殖場があり、満潮時には好物アーサを食べに多くのウミガメが集まり、海沿いの道路から近いアーサの養殖棒付近ではかなり近くで見られることもあるそう。またアンジェーラ浜には、風変わりな形の岩が点在し、「神の宿る岩(イェンシジ)」と呼ばれる、入砂島の神様が海を渡ってくるといわれている神聖な場所があります。
渡名喜島にはほかにも、粉砂糖のようにきめ細かな白砂の美しい「シュガー浜」、イノー(礁池)、干潮時には海の生き物の観察もでき夕日が美しい「高田浜(たかたはま)」などありますが、「あがり浜」以外は遊泳禁止ですので、ご注意ください。
村役場前からあがり浜まで続く村道1号線は、日が沈むと、あたたかく柔らかなフットライトの灯りが白砂の道を照らし出します。渡名喜島の昼とはまた違った美しく幻想的な雰囲気の中を、のんびりと散歩もおすすめです。
渡名喜島のこどもたちには、早朝ラジオ体操やランニングなどをした後、集落の白砂の道を掃き掃除する「朝起き会」と言われる大正時代から約100年間続く伝統があります。
訪れた人は、島内のこどもたちの手で常に美しく掃き清められている道を汚さないよう心がけましょう。
■島へ渡る方法
※季節や天候により所要時間・運航数が変更される場合があります。■島内の移動手段
レンタカー(電気自動車)、レンタサイクル(情報が少ない)
■禁止事項
・動植物や鉱物の持ち出し禁止
・キャンプ・野宿禁止
・ハブがいるため、草むらや道から外れた茂みに入らない。