牛の作り上げた小高い丘「ンブフル丘」

竹富島のほぼ中心からやや南寄りにある小高い丘は「ンブフル丘」という、やや不思議な名がつけられています。ナージ井戸や水道記念碑のすぐ近くにあり、緑の生い茂る丘です。周囲に比べて数mほどの高さの丘で、レンタサイクルで通り過ぎると少し盛り上がっている、と感じるほどです。

この丘の名前の由来は、牛でした。ンブフルの丘に建てられた看板には、次のような内容が書かれています。

“その昔、住民の飼っていた牛が夜中に飛び出し、角で土や石を突き上げて一夜のうちに高い丘を作り、その上で「ンブフル、ンブフル」と鳴いたそうです。当時の酋長はこれを見て大いに喜び、この丘を土台にして堅固な見張り台を築き上げ、その名を牛の鳴き声にちなんでンブフルとしたと伝えられています。”

ンブフル丘は別名「牛丘（ウシムル）」とも呼ばれているそうです。竹富島は殆どが隆起サンゴ礁でできていますが、このンフブル丘は島の核ともいえる古成層の珪岩で形成されています。また、この丘にはなごみの塔より高い場所にある標高20mの「ンブフル展望台」があり、竹富島の町並みや西表島、石垣島といった周辺の島々まで望むことができます。見た目は一般的な民家ではありますが、階段を登れば美しい景観が出迎えてくれます。